社内コミュニケーション活性化--何をすべき?

こんにちは、合同会社たいがの小西です。 

私はこれまでの人生で、ゴールデンウィークをまともに満喫したことがなく(まさに「貧乏ヒマなし!」)、今日もこうやって、しこしこブログを書いているのですが、 皆様におかれましては、いかがお過ごしのことでしょうか? 

さて、私は「コミュニケーションの活性化・情報共有の促進」というテーマで、前回、以下の筋道で、話を組み立ててきました。
  1. 目的:業務の目的=何のためか、を明確化する
  2. 要求定義:目的に適った「目標」=何をすべきか、を明確化する
  3. 課題の抽出:目標と現実のギャップ=何を解決すべきか、を課題として明確化する
これはテーマに関わりなく、普遍的に適用できるもので、極めて自然な考え方です。
しかし、私たちは、往々にして、これを端折ってしまい、目の前の「問題」にすぐに取り組んでしまうことが多いのです(私も、反省することが多々あります・・・)。

確固とした施策、そして【これが重要なことですが】本当に効果ある施策を立案し、実行するためにも、上記の道筋で考えることが大切だと私は考えます。というのも、
「目の前の問題」は、別の角度から考えると「実は、問題ではなかった」ということもありますから。

話をテーマに戻します。前回で経理業務の課題として判明したのは、以下の事項でした。
  1. [課題1]. 3人のうちの1人は新人で、細かい業務のやり方を習得していない。不明点はその都度、残りの2人の経験者が教えているが、その教育に相当の時間を要している。
  2. [課題2]. お客様からの入金漏れ・金額相違等があった場合、営業担当者に連絡し、営業担当者がお客様へ確認を行うが、彼らは多忙で、電話でなかなか連絡がつかず、結果、消込のリードタイムが発生している。
そして、これらは「他の人とのやり取りに関わる課題」なので、「コミュニケーションの活性化」や「情報共有・連携の促進」により解決されるべき課題であるということでした。

そこで、これら2つの課題に対する対応方針を考えなければなりません。ここでもいくつかの方針が考えられますが、この会社では検討の結果、
  • [課題1の対応方針]:「新人の知見の底上げを実施すること」
  • [課題2の対応方針]:「営業担当者の対応を迅速にする」
という方針が決められました。

次に考えるべきは、上記の課題の対応方針をどのように実現するか、ということです。
いずれも「言うは易く行うは難し」の問題ですね。

[課題1]については「人を育てることの難しさ」、[課題2]については「みんな忙しい」ということです。
しかし、それで仕方ないとすると、何も改善しません。では、どうすればよいか?

それぞれの課題について深堀して検討した結果、以下のことが判明しました。
  • 「新人の知見の底上げ」については、経理業務に限らず、ほかの部門でも同じことが発生している。
  • どの部門も、実務に即したマニュアルは整備されておらず、また、そのメンテナンス(業務変更の都度、マニュアルを修正すること)もされていない。結果、新人は、業務を遂行するにあたり、自分で調べる術がなく「経験者に聞く」しか方法がない。
  • 「営業担当者の対応」については、そもそも、経理から依頼された入金状況の確認を営業担当者が失念していることが判った。これは、双方が電話ベースでやりとりしていたため、「記録」として残っていないことが原因である。
ここから、まずは着手べきことは
  • [課題1]については、まずはマニュアルやQ&Aの整備を行う。そこで大事なことは、「関係者が見れること」「業務変更に応じて修正すること」「修正した経緯・履歴が判ること」(これが残っていれば「なぜ、このように仕事を進めるのか」が、新人でも読めばわかる)
  • [課題2]については、まずは記録を残すこと。その記録には「誰から誰に」「いつ」「どのお客様の、どの売り上げ明細について」「状況がどうなっているか」「いつまでに解決すべきか(期日)」が明確化されていること。そして、期日や売上高などに応じ、優先して対応すべき情報が、経理-営業間で共有されていること。
です。

さて、何をやるべきか、が見えてきました。ここでようやく、「やるべきことを手助けするための道具」の登場です。そして、その道具のひとつがITなのです。

次回は、道具であるITが、やるべきことをどう手助けするか、についてお話しします。