社内コミュニケーション活性化--進化するグループウェア

こんにちは、合同会社たいがの小西です。

長かったゴールデンウィークも終わりましたが、皆様はいかがお過ごしのことでしょうか?

前回までは、コミュニケーション活性化と情報共有の目的・意味と、それを下支えするITであるグループウェアの具体的な活用方法事例についてお話ししました。

今回は、前回申し上げた通り、グループウェアの昨今の状況と、それを選定する基準について、考えてみたいと思います。

「情報共有のためのシステムソフトウェア」から「情報を統合する社内基盤インフラ」へ


以前、私はwikipediaの「グループウェア」の定義、及び、そこで記載された内容について引用しました。
そこには「情報共有のためのシステムソフトウェア」という定義がされていましたが、現在のグループウェアは、その定義を超えて進化していると私は考えます。

ひとつの進化は「情報共有の仕組み自体の進化」。

皆様の中では、LINEなどのチャットツールを、個人的にお使いの方もいらっしゃるかと思いますが、それをビジネスにも応用したツールがグループウェアの中にも組み込まれています。

チャットツールの利便性とは、
  1. メールのようにいちいち宛先などを入力する必要がないため簡易
  2. 文章以外に、音声やビデオでリアルタイム会話できる
  3. グループ(チーム)を作って、そこで1対多の情報共有ができる
  4. そのグループ(チーム)間では、ファイルや予定表など、グループで共有すべき情報を集約できる
  5. パソコンだけでなく、スマホやタブレットなどを使って情報のやり取りができる
ことです。

元々のチャットツールは複数の人と文字を介したやり取りでしたが、これが機能拡張・統合されて、今に至ったわけです。
(従って、正確には「チャットツール」という呼び方がふさわしいか異論のあるところですが、ここではその呼び方で統一します)

会社でも、通常、社内の全員とコミュニケーションを取ることはなく、部署なりプロジェクトなりの「一定のかたまり=グループ(チーム)」でコミュニケーションを取ることが圧倒的に多いですよね。

また、その中ではコミュニケーションは一方向ではなく、グループ(チーム)内で双方向的にコミュニケーションを取ることが普通です。

社員同士であれば、外部のお客様と違って、それほど文面や語り口に気を使う必要もない、だからチャットレベルでOKですし、必要なら音声やビデオを使って、会議もできる、そんなツールです。

ポイントは「グループ(チーム)のメンバーと、いつでも、どこでも、密なコミュニケーション・情報共有ができる」ことです。

このメリットの活用法については、また、テーマを改めてお話ししますが、ポイントを先取りしていっておくと、グループ(チーム)=部署、と決めつけず、コミュニケーション・情報共有すべき単位こそがグループ(チーム)である、と考えることです。

もうひとつの進化は「他システムとの連携の親和性」です。

前回、私はグループウェアの各機能をつなげる役割を持つ機能のお話をしましたが(「ワークフロー機能」「電子メール機能」「スケジュール管理機能」をつなげる役割を果たす「簡易組み立て機能」)、これも広義の他システム(機能)との連携の親和性(容易さ)の一つです。

それだけでなく、現在のグループウェアでは、文字通り外部のシステムとの連携の親和性を持つようになりました。

例えば、営業管理システムで、地域別かつ営業担当者別に売上集計をしたい場合、その営業管理システムにそのような分析機能がない場合、一般に、営業管理システムからのデータをファイルとして取り込んだ後整形した上で、Excel等で集計し、分析する・・・などの作業が必要です。

しかし、そのグループウェアが営業管理システムと連携している場合は、データの取り出しなども簡単にできる、或いは正式に連携していなくても、営業管理システムがWebベースのある仕組みを実装していれば(REST APIと言います)、その仕組みのルールに則ってば、容易にデータを抽出したり、連携できるというものです。

これが業務において何に貢献するかというと、
  • これまで手作業で面倒だった作業の自動化、省力化、効率化
  • データを掛け合わせることで「改善への気づき」が生まれる
ということです。

自動化、省力化、効率化については前回の経理業務の例などでご理解いただけるかと思います。

「改善への気づき」とは、先の営業分析を例にとると「担当者AはX地区の売り上げは高いが、Y地区の売り上げが低い。これは何故か?」などの疑問が生じ、そこから売上向上のために、Y地区に宣伝や営業担当者を投入したほうがよいか?Y地区に対するアプローチを変えた方がいいか?などの「改善の気づき」が生じる、ということです。

言うまでもなく「業務の改善」とはコスト削減や品質の改善、迅速性だけではなく、「売り上げ、粗利を上げる」ということも含まれますから。

その意味で、(多少、小難しい言葉ですが)これからのグループウェアは「情報を統合する社内基盤インフラ」と申し上げました。

さて、では、グループウェアの選定基準についてです。
総論としては、「投資(費用)対効果の高いもの」ですが、もう少しグループウェアという道具、そして、先述した「情報を統合する社内基盤インフラ」という観点に則すと、以下の基準が挙げられます。

●Wikipediaで定義された機能を保有していること
「電子メール」「電子掲示板」「ライブラリ機能(ドキュメント共有機能)」「スケジュール管理機能」「ワークフローシステム(電子決裁)機能」「会議室予約(設備予約)機能」「ファイル共有機能」は最低限有しておかなくてはならない機能です。

チャットツール機能を保有していること
グループ間のメンバーで「チャット」「音声/テレビ会議」「ファイル・予定表等の共有」ができるチャットツール機能を有していることも、今のグループウェアでは当然の機能です。

●スマホ/タブレットに対応していること
「いつでも、どこでも」を実現するためにはスマホ・タブレットに対応していることも当然の機能です。

●簡易組み立て機能を要していること
機能と機能をつなぐ簡易組み立て機能や、簡単な便利アプリを作ることのできる機能を有していること

多くの他システムとの連携機能を有していること
これは前述したとおり、「一層の自動化・省力化・効率化」と「データを掛け合わせることによる「改善への気づき」」のためです。

セキュリティ/コンプライアンスに対応していること
セキュリティ/コンプライアンスについては、テーマを改めて話しますが、これからの時代は、企業規模に関わらずセキュリティ・コンプライアンスの遵守は必須です。
いくら無料だからと言って、私が無償LINEを会社のチャットツールとしてお勧めしないのは、ここに理由があります。

柔軟性あるプラン
社内でもデスクワーカーとバイヤー・営業担当者などは、役割も、グループウェアの利用の仕方も異なります。それぞれの仕事の仕方に応じたプランを組むことができれば、バランスよい投資(費用)対効果につながります。

後は、企業様個別の事情(例. 社員の方のITリテラシーなど)に合わせ、基準は変わりますが、上記7つの観点はグループウェアを評価するうえでの、基盤となる観点だと考えます。

中小/中堅企業の皆様におかれましては、これが参考になれば幸甚です。
#もし、グループウェアの導入に関しご相談等あれば、ぜひとも、お気軽にお声がけください。

それでは、次回もよろしくお願い申し上げます。